すきっ歯とは歯と歯の間が空いていて、すき間が目立っている歯並びのこと。特に上の前歯がすきっ歯になっているとコンプレックスに繋がることも。
「すきっ歯を治したいけど時間がない」「なるべく早くすきっ歯をごまかす方法を知りたい」といった、早急にすきっ歯をなんとかしたい方に向けてすき間を埋める法をご紹介します!
ただ、すき間を埋めてごまかすだけはすきっ歯を治すことはできません。すきっ歯を根本から改善する方法も知っておきたい!という方に向けても有益な情報があるので、是非最後まで目を通してみてくださいね。
すきっ歯をごまかす方法4選
すきっ歯をごまかす方法として、用いられる治療は以下の通りです。
- セラミッククラウン
- ダイレクトボンディング
- ラミネートべニア
- ブリッジ
一つずつ解説します。
セラミッククラウン
セラミッククラウンは、歯を削ってセラミックのかぶせ物を装着する方法です。
セラミックはお口の中で自然な発色を特徴としていて、金属アレルギーの方でも使用が可能です。
歯のすき間を埋めることはもちろん、歯の色や形を変えたり、歯並びの改善も可能な場合があります。
すきっ歯をごまかしながら、好きなように歯の形や色を変えられるのが大きなメリット。
ただし、健康な歯を削ってかぶせ物をするので、歯にダメージが蓄積してしまうのが難点です。厚みを確保するため歯を削る量も多く、将来的に歯をダメにしてしまう可能性も低くありません。5~10年程度でかぶせ替えが必要になってくるので、費用もかさみやすいです。
さらに、歯の状態によっては歯の神経を抜く場合もありますが、歯の神経を抜くと一気に歯が弱くなってしまいます。もしセラミッククラウンをするときは出来る限り歯の神経は抜かないようにした方がいいでしょう。
費用はセラミックの種類によって異なりますが、歯1本あたり8~18万円程度。
来院回数は2~4回、期間は2週間~2カ月程度です。
【セラミッククラウンが向いている方】
- 歯の見た目を短期間で綺麗にしたい方
- 歯の色や形を変えたい方
- 長期的な歯の健康を気にしない方
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングとは、セラミック粒子を含んだ歯科用のプラスチックレジンという材料を、直接歯に盛りつけて歯の色や形を整える方法です。
必要最小限の範囲のみを削って治療できることや、直接お口の中で盛り上げていくので、早いとその日のうちに治療できることがメリットです。
デメリットは、強度や耐久性が高くないので欠けたり、劣化して変色を起こしやすいこと。平均寿命は4~6年と言われていて定期的にやり直す必要があります。
主に前歯のすきっ歯に使われますが、噛み合わせに問題がある場合は難しく、適応できる歯並びが限られています。大きな虫歯がある歯や、歯と歯のすき間が大きい場合など、広い範囲でカバーが必要な場合はダイレクトボンディングの適応ができません。
さらに、直接レジンを盛りつけていくため繊細さが必要で、ドクターの技術しだいで仕上がりが異なってくることも。
来院回数は1~2回、期間は最短で1日です。
費用は、歯1本あたり2~5万円程度の場合が多いです。
【ダイレクトボンディングが向いている方】
- 短期間で治療を終わらせたい方
- 一時的にすきっ歯を何とかしたい方
ラミネートベニア
ラミネートベニアとは、歯をほんの少し削って薄いセラミックの板を貼りつける方法です。
歯の表面を削る量は0.3~0.5mm程とごくわずか。そのため、セラミッククラウンに比べて歯のダメージは少なくてすみます。
さらに、ダイレクトボンディングよりも変色のリスクが少なく、経年劣化しにくいことが大きなメリットです。
ただし、大きな力が掛かると割れたり欠けてしまうことがあるため、適応できる範囲が限られています。基本的には前歯に使用されます。
定期的な検診も必要です。ラミネートべニアは10~20年程度は持つと言われていますが、4~5年でラミネートべニアをくっつけている接着剤が劣化し剥がれてきてしまう可能性があるからです。
費用は、歯1本あたり5〜15万円ほどが目安。
通院回数は2~4回、期間は3週間~2カ月程度ですが、こちらも個人差が大きいです。
【ラミネートべニアが向いている方】
- 前歯のすき間が気になっている方
- 前歯の色や形を変えたい方
- あまり歯を削らずに長持ちさせたい方
ブリッジ
歯と歯のすき間大きく、上記3つの方法では対応が難しい場合はブリッジを使うこともあります。
ブリッジとは、すき間を人工の歯で補い、両隣の歯も同時にかぶせ物として装着する方法です。
ブリッジは自費診療でも保険適用でも出来るため、費用を抑えられます。
ただし、すきっ歯の両隣の歯を削る必要があることや、10年前後でかぶせ替えが必要なのがデメリットです。また、保険適用の場合は金属を使用するので金属アレルギーがある方は×。
来院回数は2~4回で期間は1~3カ月程度です。費用は2~3万円程度でしょう。
【ブリッジが向いている方】
- 歯を削ってもいいから安く済ませたい方
- 歯と歯のすき間が大きい方
自力ですきっ歯はごまかせる?
自力ですきっ歯をごまかすことは難しいでしょう。
自分でなんとかしようと、指で歯を押す、輪ゴムを歯にくくりつけるといった行為はNG。すき間が埋まらないばかりか、無理に力を入れたせいで歯を傷つけてしまう恐れがあります。
すきっ歯が気になる場合は、歯科医院で相談するようにしてくださいね。
関連記事:自力で歯の矯正はできる?自分でできるセルフケアもご紹介します
すきっ歯を根本的に治したいときは歯列矯正
すきっ歯をごまかす方法にはいくつかありますが、いずれもすき間を埋めるだけですきっ歯が治るわけではありません。健康な歯を削ったり、かぶせ替えが必要になってくるなど、長期的に見てリスクがあるのも事実。
歯を削ることなく、健康的にすきっ歯を改善したいという方には歯列矯正がオススメ。期間はある程度かかりますが、一度治療が完了すればすき間が閉じたまま綺麗な歯並びをキープできます。
また、すきっ歯の方は噛み合わせにも問題を抱えているケースもあり、歯列矯正することで噛み合わせも同時に改善できます。見た目を綺麗にすることができるだけではなく、全身の健康にもいい影響を与えるでしょう。
費用は約10~170万円、治療期間は約1~3年と個人差があります。
矯正装置の種類は?
歯列矯正にはマウスピースをはめて歯を動かすマウスピース矯正と、歯に金具を装着して歯を動かすワイヤー矯正があります。
どちらの方法にもメリットやデメリットがあり、自分に合った方法を選ぶといいでしょう。
マウスピース矯正が向いている方
- 仕事などで人前に出たり話すことが多い方
- 矯正器具の見た目が気になる方
- 歯磨きやマウスピース洗浄などこまめにケアをする事が出来て、きちんと装着時間が守れる方
- 矯正中の痛みが心配な方
ワイヤー矯正が向いている方
- 適応症例数が多く歴史のある治療を受けたい方
- マウスピースの装着時間を守るのが難しい方、おやつの間食や長時間の食事会に参加することが多い方
- マウスピースの着け外しや洗浄などの管理が面倒な方
一般的にはマウスピース矯正のほうがワイヤー矯正に比べて費用が抑えられ、治療期間も短くてすむ傾向があります。
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実際に歯列矯正ですきっ歯を治した症例
歯列矯正は費用や治療期間の個人差が大きく、実際に自分が治療するときにどれぐらいなのか予想しづらいですよね。
ここで、実際にアットスマイル矯正のマウスピースですきっ歯を治療した例をご紹介します。軽度と中度に分けているので、費用感や期間の目安になるかと思います。
軽度のケース
この方は前歯すきっ歯を気にされて来院されました。およそ2.5ヶ月で綺麗にすき間が閉じています。
中度のケース①
この方は上前歯のすき間が大きいことを気にされていましたが、アットスマイル矯正で治療することで綺麗にすき間が閉じています。
中度のケース②
この方は上下のすきっ歯を気にされて来院しました。歯列矯正することですき間なく綺麗に並んでいます。
治療内容:透明なマウスピースによる目立ちにくい歯列矯正です。
※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
※自由診療となり保険は適用されません。
※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。
主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。
すきっ歯を放置するリスク
すき間の広がりが大きくなる可能性がある
舌で前歯を押し出したり、、すきっ歯を放っておくと、ますます隙間部分が開いてきてしまいます。すると、歯科矯正をするときも、抜歯が必要になるなどの事態に発展する可能性があります。
虫歯や歯周病、口臭のリスクが高くなる
すきっ歯があると、すき間に食べ物が詰まりやすく、歯磨きしても汚れとして残りやすいです。汚れが歯に付着したままだと虫歯や歯周病を引きおこしやすくなります。また、口臭の原因になってしまうことも。
全身の不調に繋がる可能性がある
すきっ歯の方の中には、噛み合わせにも問題を抱えているケースも見られます。噛み合わせが悪いと顔や首、肩の筋肉に負担がかかり、頭痛や肩こり、顎関節症になってしまうことも考えられます。
また、左右のバランスも悪くなるので、口元や顔、全身が歪む原因にもなりかねません。
さらに、しっかりと噛めないことが多いので、ご飯をたべても消化に時間がかかり、胃腸に負担がかかりやすくなります。
関連記事:
- 歯列矯正で頭痛が起きる人・治る人の違いはある?頭痛への対処のコツもご紹介
- 歯列矯正で肩こりが改善する人、しない人の違いって何?歯並びで違いがあるの?
- 顔が歪んでいるのは歯並びのせい?歯列矯正で改善することはあるの?
発音・滑舌に悪影響を及ぼすこともある
すきっ歯の場合、歯と歯のすき間から空気が漏れてしまうので、発音がしにくい傾向があります。サ行やタ行が発音しにくく、他人から聞き取りづらいことも。
発音や滑舌がビジネスにかかわってくることもあり、営業や接客業をしている方、転職や就活をしている方にはとくに重要なリスクになり得るでしょう。
コンプレックスになりやすい
歯と歯のすき間があいていると、コンプレックスに感じる方も多いです。口を開けて笑うことに抵抗感が生まれやすく、あまり笑顔になれないことも。
人からどう見られるのか不安で、自信が持てずにネガティブ思考になってしまう可能性も決して低くありません。
すきっ歯 よくある質問
そもそもすきっ歯の原因って?
すきっ歯になる原因は以下の7つがあります。
- 歯の大きさ > アゴの大きさ
- 歯の本数が少ない
- 上唇の筋に厚みがある
- 噛み合わせが深い
- お口回りのクセがある
- 歯周病
- 加齢
一つずつ解説します。
歯の大きさ > アゴの大きさ
歯並びの調和は、歯の大きさとアゴの大きさのバランスによって決まります。
アゴの大きさに比べて歯の大きさが小さい場合、歯と歯の間にすき間が生じてすきっ歯となってしまいやすいです。
歯の本数が少ない
生まれつき歯の本数が少ない、何らかの原因で歯が抜けてしまった、歯が埋まっていて生えてこないといった理由で、お口の中に生えている歯の本数が少ないことがあります。
そういったケースでは歯がない部分のスペースが余るので、すきっ歯として現れやすいです。
上唇のスジが発達して厚みがある
上唇と歯ぐきをつなぐスジを上唇小帯(じょうしんしょうたい)といいます。この上唇小帯が発達し、上の前歯の間に入りこむことで歯と歯の間が閉じることができず、すきっ歯になることもあります。
これは子どものうちに見つかることが多いです。子どものうちに自然と治ることもありますが、治らなければ切除して対応します。まれに大人になっても上唇小帯の位置異常が残っていることがあり、そういったケースで上前歯のすきっ歯として現れるようです。
噛み合わせが深い
噛み合わせが深いと下の歯が上の歯を突き上げてしまうので、上の歯が前に出てしまい、すきっ歯となることがあります。
正常な噛み合わせの場合、「イー」と口を開けたとき、上の前歯は下の前歯を2~3mmくらい覆っています。もし、下の前歯の2/3以上覆っていた場合、過蓋咬合(かがいこうごう)で噛み合わせが深く、すきっ歯になる可能性があるので注意してください。
関連記事:過蓋咬合(深い嚙み合わせ)の歯列矯正ってどんな感じ?マウスピース矯正でも治せるの?
お口回りのクセがある
日常的に舌で前歯を押し出すクセがある方は要注意!すきっ歯に繋がってしまう可能性があります。
舌で歯を押すと、歯が外側に向くように力がかかるため、歯が広がってすき間ができてしまうことも。
また、子どもの頃に指しゃぶりをしていた場合、大人のすきっ歯として現れることもあります。
歯周病
歯周病は、進行すると歯を支えているアゴの骨(歯槽骨)が溶け、歯を支えられなくなるので最悪歯が抜け落ちてしまう病気です。
骨の支えが少なくなると、歯がぐらぐらと揺れて動きやすくなり、歯と歯の間にすき間が生じてしまいます。
加齢
年齢を重ねると歯ぐきが下がる傾向があり、歯と歯の間にすき間ができるようになります。すき間が三角形をつくり、黒く見えるブラックトライアングルになっていることも。
30代から歯ぐきが下がりやすく、40代以上になると徐々に目立ってくるようになり、老けて見える原因にも繋がります。
関連記事:歯列矯正でブラックトライアングルができるって本当?予防法や治す方法はあるの?
すきっ歯は自然に治ることはある?
子どもの場合は治ることもありますが、永久歯になった大人ではすきっ歯が自然に治ることはありません。むしろ、虫歯や歯周病、加齢や舌のクセがあるといったことが原因ですきっ歯が悪化してしまう可能性のほうが高いです。
部分矯正ですきっ歯は治せる?
部分矯正ですきっ歯を治せるケースと治せないケースがあります。部分矯正で治せるのは噛み合わせに問題がなく、前歯のすき間が小さい場合です。特に、下のすきっ歯は部分矯正できることがありますが、上のすきっ歯の部分矯正は難しいでしょう。
すき間と噛み合わせの状態しだいなので、部分矯正ができるかどうかは歯科医師の診断が必要になります。
まとめ
すきっ歯をごまかす方法は以下の4つ。
- セラミッククラウン
- ダイレクトボンディング
- ラミネートべニア
- ブリッジ
どの方法も比較的短期で出来ますが、歯の長期的な健康を考えるとリスクもあります。そして、残念ながらどの方法も歯と歯の間のすき間を埋めるだけで、すきっ歯を根本から改善することはできません。
すきっ歯をごまかすことなくきちんと治したい方には歯列矯正がオススメ。
きちんと歯並びを整えることで、見た目が綺麗になるだけではなく歯の健康寿命も自然と伸びていきます。
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関連コラム:歯列矯正は安くなる?矯正費用の負担を減らす方法5選!貯金無しでも始めたい人は必見!
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主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
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