

歯列矯正は”時間とお金と手間のかかるもの”というイメージから、 「自力で歯並びを治せないか」と考えたことはありませんか?
割り箸やアイスの棒をかんで歯並びを治すなどといった民間療法を調べたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
本当に歯科医院に行かずに自力で歯並びを整えることは可能なのか、歯並びのためにご自身でできるセルフケアについてもご紹介いたします。
自力で歯を動かそうとするのは危険
結論から申し上げますと、歯科医院に行かずに自力で歯並びを治すことは難しく、非常に危険です。
歯を動かすためには、至適矯正力(してききょうせいりょく)といって、適切な力加減があるのです。むやみやたらに歯に力を加えると、歯並びをキレイにするどころか思わぬトラブルを招いてしまうこともあります。
では具体的に、どんなことが起こりうるのか、解説いたします。
自力で歯並びを治そうとすることのデメリット
歯の寿命を縮める
歯に強い力をかけすぎると、歯の根っこが短くなってしまったり、歯の神経がダメージを受けるなど、歯や歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。
最悪の場合、歯の治療や抜歯が必要になる危険性もあります。
余計に歯並び・かみ合わせが悪くなる
歯科医院での歯列矯正では、医学的な根拠に基づいて綿密な治療計画を立て、歯並びやかみ合わせを治療します。
医学的根拠のない方法で、治療計画もなくむやみに歯を動かしたとしても、キレイに並ぶどころか、逆に歯並びが崩れてしまったり、かみ合わせが合わなくなる可能性があります。
顎関節症・頭痛や肩こりなど不調の原因になる
歯並びやかみ合わせがズレれば、アゴの位置がずれてしまう可能性もあります。
すると顎関節症はもちろん、頭痛や腰痛、肩こりなど、様々な体の不調を引き起こすこともあります。なぜなら、左右バランスよくかむことができなくなるからです。
ものをかむ時には、お口の筋肉だけでなく、頭や首の骨に繋がる筋肉なども連動して動いています。それらの筋肉がバランスよく使われていないと、頭や首、そして背骨にも歪みを生じ、頭痛や肩こりといった不調につながることがあるのです。
もちろんアゴがズレれば、顔の骨格が歪んでしまうことも考えられます。
関連コラム:顔が歪んでいるのは歯並びのせい?歯列矯正で改善することはあるの?
市販のマウスピースで矯正できる?
最近では、インターネットなどで手軽に歯の矯正グッズが手に入ることがあるようです。これらの道具を使って、手軽に理想の歯並びを手に入れることはできるのでしょうか?
残念ながら、それは難しいでしょう。
理由は3つあります。
- 歯にぴったり合わない
- 適切な力をかけられない
- アタッチメントがつけられない
マウスピース矯正において、きちんと矯正力を発揮するためには、マウスピースがご自身の歯に密着していることが必要です。
市販のマウスピースでは、患者さんごとの歯並びにぴったり適合しないため、適切な矯正力が生まれません。(成形できるタイプのものであっても、隙間ができます。)
また、歯を動かすためには、適切な弱い力を継続的にかけ続ける必要があります。そして、定期的にマウスピースを取り替えたり、アタッチメントを利用したりすることで、スペースを作りながら歯を適切な位置に誘導していくのです。
ところが市販のマウスピースでは、力を適切に加減することや、マウスピースをその都度最適なものに交換したりアタッチメントの装着もできないため、歯を適切に誘導することができないのです。
これらは歯科医院での検査・診断の下でしか受けられない処置であるので、市販のマウスピースで歯が動いたとしても、歯並びをキレイに整えることはできないと言えます。
歯並びのために自分でできること3選
①癖を治す
日常的に行っている「癖」は、些細な力であっても、毎日継続的に加わることで歯並びに影響を及ぼしてしまうこともあります。その力はなんと矯正装置の数倍とも言われます。
ですので、もし心当たりがある方は、なるべく早いうちに対処することが、整った歯並びのための第一歩です。
歯並びに影響してしまう癖の一例
- 歯ぎしり
- 食いしばり
- 指しゃぶり
- 爪を噛む
- 唇を巻き込む
- 舌で歯を押す
- 片側のみでものを噛む
- 頬杖
- 口呼吸
- うつ伏せ寝、横向き寝
- 猫背など悪い姿勢
- カバンを持つのがいつも同じ側
舌の癖や口呼吸などについては、MFT(口腔筋機能療法)といったお口周りのトレーニングを行うことで改善する場合もあります。MFTの指導を行っている歯科医院もありますので、確認してみてください。
②お口周りのトレーニング
歯並びとは単に歯のはえ方だけでなく、唇や頬からの「外からの力」と、舌による「内からの力」のバランスで決まってきます。
前述の癖にも関連していますが、お口周りの筋肉がきちんと使われていなかったり、バランスが悪いと、歯並びの乱れに繋がります。
割り箸を使った簡単トレーニング
<スポットトレーニング>
- 上の前歯裏のふくらみのすぐ後ろ部分(スポット)を割り箸やアイスの棒で5秒間軽くおさえる。
- 割り箸をはずし、今度は舌の先を尖らせてスポットに5秒間あてる。
この動作を交互に5回ほど繰り返します。
舌を正しい位置に置く癖を付けるためのトレーニングです。
<ティップトレーニング>
- 割り箸やアイスの棒を口の前に垂直に持つ。
舌の先をとがらせて前に出し、舌と割り箸の両方で3秒間押し合う。
割り箸をはなして唇を閉じ、力を抜いて休む。
この動作を5~10回繰り返します。
舌をとがらせる力を養います。
道具を使わないでできるトレーニング
<ポッピングトレーニング>
- 舌先を、上の前歯裏のふくらみのすぐ後ろ部分(スポット)につけ、舌全体を上あごに吸い上げる。
- 口を大きく開け、舌の裏側のすじをできるだけ伸ばす。
- 舌で上あごをはじいて、ポンと音を立てる。
この動作を10~15回繰り返します。
舌の力を鍛え、舌の裏のすじを伸ばすためのトレーニングです。
これらはMFT(口腔筋機能療法)におけるトレーニングの一例です。
MFTには、不正咬合の原因になる舌の癖や、口呼吸の改善などを目的に、さまざまなプログラムが用意されていますので、一度歯科医院で詳しく話を聞いてみるのもいかがでしょう。
③口腔ケアをしっかり!お口のトラブルは放置しない
虫歯や歯ぐきの炎症を放置していると、歯を支える骨がなくなってきてしまったり、歯が抜けてしまったりします。すると歯が動いたり、倒れてしまったりして歯並びが乱れる原因となるのです。
また、虫歯によって歯の形状が変化することで、噛み合わせが変わってしまうこともあります。
こういったトラブルを防ぐためには、日々のお手入れが何より大切です。そして定期的に歯科医院で専門的なケアを受けると◎
歯列矯正はただ歯を押してずらしているのではない!
まず第一に、歯科医院で行う歯列矯正というものは、専門的な知識をもつ歯科医師によって、精密な検査を行った上で進められます。
治療方針を決めていくためには、歯並びはもちろん、骨格や、お口の中の状態などをきちんと把握する必要があるからです。その上で、どの歯をどれくらい、どのように動かすのが適当か、噛み合わせはどうかなどを慎重に確認しながら行っていきます。
また一言に歯を動かすといっても、平行に動かすのか、傾けるのか、回転させるのかなど様々な動かし方があります。
歯によって力のかけ方を調整したり、歯や骨にダメージを与えないように注意しながら適切な力が加わるようにするなど、大変繊細な技術を要する治療だと言えます。
医学的根拠に基づく知識・技術と装置による治療だからこそ、歯並びやかみ合わせがキレイに整いやすいのです。
まとめ
歯科医院に行かずに自力で歯の矯正をすることは難しく、危険を伴います。たとえ歯が動いたとしても、キレイに並ぶこと、さらにそれを維持していくことは限りなく難しいでしょう。
また、自力でやみくもに歯に力を加えることは、以下のようなリスクを伴います。
- 歯の寿命を縮める
- 余計に歯並び・かみ合わせが悪くなる
- 顎関節症・頭痛や肩こりなど不調の原因になる
歯列矯正とは、出ている歯を押して引っ込めるという単純なものではありません。しっかりとした治療計画に沿って行われるべき医療行為なのです。
歯並びやかみ合わせに悩みがあるのであれば、ご自身でなんとかしようとせず、医学的根拠のある知識と技術に裏打ちされた、歯科医院で治療を受けることをお勧めいたします。
自力で歯並びを治すことはできなくても、これ以上悪くしないためのセルフケアはたくさんあります。まずはそこからコツコツ始めてみてもいいかも。
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治療内容:透明なマウスピースによる目立ちにくい歯列矯正です。
※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
※自由診療となり保険は適用されません。
※歯並びによってはマウスピースによる治療が出来ない場合があります。
主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。
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