歯列矯正すると声が変わる可能性はあります。ポイントは発音と滑舌です。
今回のコラムでは、歯並びと声がどう関係するのか、歯列矯正すると声が変わる可能性がある歯並びとその矯正方法について解説します。
歯列矯正すると声が変わることがある理由
声が出る仕組みとして、声帯を震わせることで発生した音がノド、鼻、口で響きます。その響いた音を唇や舌などを使うことで「ア」や「カ」といった言葉が形成され、声となって外に出ます。音を形作るためには、唇の開き方や舌の動かし方、唇や舌が接する歯並びやアゴの位置が非常に重要です。
歯並びが悪いと唇や舌の動きが制限されて、発音や滑舌が悪くなりやすくなります。また、見た目のコンプレックスから、口元をあまり開けないように話すことも多く、もごもごとした話し方のせいで聞き返されることも。
歯列矯正で歯並びが改善すると、唇の使い方や歯並びによる舌の動きの制限がなくなって滑舌が良くなります。さらに、見た目のコンプレックスも解消され、しっかりとした発音ができるようになるため、しっかりとしゃべることが出来るようになります。声の出し方が変わることで、声が変わったと感じることがあるのです。
歯列矯正すると声が変わる可能性がある歯並び
実際にどんな歯並びを治すと声が変わったと感じる可能性があるのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
出っ歯・口ゴボ
出っ歯や口ゴボは、前歯が出ているので上の歯ぐきに舌を近づける「サ行」や、上の歯ぐきの上部を舌で弾く「ラ行」が発音しにくいと言われています。また、口が閉じにくいため、口を閉じて発音する「マ行」「パ行」も発音しづらく、こもって聞こえることも。
歯列矯正で前歯が下がり、口が閉じられるようになると、口元の位置が変わります。そのため、発音がしやすくなって声が変わる可能性があります。
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叢生
叢生は、歯が綺麗に一列に並ばず、ガタガタに生えている歯並びです。軽度なガタガタなだけであれば、発音や滑舌に悪影響を及ぼすことは少ないと言われています。ですが、前歯のガタガタが強いと、舌先を上アゴに触れさせて舌先を素早く離す「タ行」や「ラ行」の発音がしにくいです。また、歯のガタガタによって歯の間に隙間がある場合は、空気が漏れやすく「サ行」の発音が悪くなることも。
歯列矯正でガタガタの歯並びが解消されると、舌が動きやすくなるのではっきりと話すことが出来るようになり、声質が変わることも。
受け口
受け口は、下の歯や下アゴが前に出てしまっている状態です。「タ行」や「サ行」で発音がしづらく、「ツ」が「チュ」になってしまったり、「サ」が「シャ」としか発音できないことも。
さらに、アゴの位置関係によっては「ナ行」も舌の運動に制限がかかって発音がしづらいと感じることも。
歯列矯正で受け口の状態が改善することで舌の当たる位置も良くなるため、しゃべりやすくなり、声が変わったと認識することも。
関連記事:受け口は歯列矯正で治るの?タイプ別の治療方法をご紹介!顔立ちの変化はどんな感じ?
オープンバイト(開咬)
開咬は、噛み合わせたときに、上下の前歯が噛み込まずにすき間ができてしまう歯並びです。
上下の前歯にすき間があるため、ここから空気が漏れて「サ行」や「タ行」が言いづらく、「ラ行」では舌足らずになりやすいです。
歯列矯正すると、上の前歯が下の前歯に覆いかぶさるのですき間がなくなり、発音問題も解消されます。ハキハキしゃべることが出来るようになるので、自信がつきやすく、声が変わったと感じることがあります。
関連記事:開咬(オープンバイト)は歯列矯正で治る?マウスピース矯正はどうなの?治療方法と効果的なトレーニングもご紹介
すきっ歯(空隙歯列)
すきっ歯は、歯と歯の間が空いていてすき間がある歯並びです。すき間から空気が漏れてしまうので、とくに「サ行」が苦手なことが多いです。
歯列矯正で歯と歯のすき間を埋めることで空気が漏れることがなくなります。発音がしやすくなるので、声が変わったと言われることもあります。
関連記事:すきっ歯は歯列矯正するとどう変わる?費用の負担を減らすコツもご紹介
歯列矯正の方法にはどんなものがある?
歯列矯正する方法は、大きく分けてマウスピース矯正とワイヤー矯正の2つです。
さらにワイヤー矯正は、金具を装着する位置やワイヤーの色によって表側、裏側、白色と3つの種類に分かれます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピースを装着しながら歯を移動させる方法です。
透明で目立ちにくく、近年人気の矯正方法です。特に、人前で話す教師や営業職、接客業の方におすすめ。
装着時間が一日20~22時間以上で、歯磨きと飲食時以外は常につけている必要があるため、しっかりとした自己管理が大切です。取り外して歯磨きができるため、ワイヤー矯正に比べて食べ物に気を付けたり、歯磨きが複雑になりにくいのが特徴。
マウスピースを装着しはじめの最初は、慣れない異物が入っている状態なので、発音や滑舌が悪くなるといった影響も。ただし、数日~1週間程度で慣れていくことがほとんどなので、そんなに心配する必要はありません。詳しくは、下記コラムを参照してくださいね。
関連記事:マウスピース矯正で滑舌が悪くなるケース・良くなるケース。対処のコツも徹底解説
ワイヤー矯正
表側矯正
ワイヤー矯正の中でも、一番オーソドックスな矯正方法です。
歯の外側にブラケットと呼ばれる金具を貼り付け、そこにワイヤーを通すことで歯を動かす矯正方法です。
歯を三次元的に動かすことができ、難しい歯並びでも治療することが可能です。ただし、金具が口の中の粘膜や舌、唇を傷つけることがあったり、ワイヤーが刺さってしまうなどのトラブルが起こりやすいです。また、金具のすき間までしっかりと歯磨きをしなければならないため、食事の内容やブラッシングに気を配る必要があります。
関連記事:マウスピース矯正とワイヤー矯正はどちらが効果的?メリット・デメリットを一覧でご紹介
裏側矯正
裏側矯正は、その名の通り、歯の裏側に矯正装置を取り付ける方法です。
パッと見たときに矯正しているのがバレにくいので、ワイヤー矯正に興味があるけど目立ちたくないという方におすすめ。
基本的には表側矯正と同じですが、歯の裏側にブラケットを貼り付けるので舌に当たりやすく、舌を傷つけたり滑舌にも影響がでやすいです。また、裏側に装置があって歯磨きする際に清掃がしにくいので、表側矯正以上に歯磨きに時間がかかることも。
関連記事:マウスピース矯正と裏側矯正、どっちがオススメ?徹底比較しました!目立たない矯正方法を探しているなら必見
白色矯正
白色矯正はワイヤーやブラケットの色を白にすることで、表側に装置を貼り付けても目立ちにくくする方法です。
表側矯正よりも費用が若干高くなりやすいのですが装置の色が違うだけなので、表側矯正の適応は同じです。
歯列矯正中はしゃべりにくいって本当?
マウスピース矯正でもワイヤー矯正でも、最初は口の中にわずかとはいえ厚みがある装置が入るので異物感が強く、しゃべりにくさを感じるケースが多いです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正に比べて厚みが薄く、しゃべりにくさを感じなくなるまでの慣れは早いでしょう。
ワイヤー矯正はブラケットの厚みが1.5~3mm程あるため、慣れるまで時間がかかりやすいです。
表側矯正は舌の動きを制限しないので滑舌は悪くなりにくい一方で、ブラケットの厚みぶん口が閉じれなくなるなど、装置のつけ始めは発音しにくいこともあります。
裏側矯正は舌側に装置があるため、舌の動きが制限されて喋りにくさを感じやすく、慣れるまで時間がかかる傾向。
少しでも喋りにくさを軽減するならハーフリンガル矯正という方法も
ワイヤー矯正で治療をする際、表側矯正と裏側矯正を組み合わせて治療を行うことがあります。これをハーフリンガル矯正といいます。
目立ちやすい上の歯は装置を裏側に装着し、下の歯は表側に装着します。装置のつけ始めはどうしてもしゃべりにくさを感じやすいですが、裏側矯正に比べて短期間で慣れる傾向があります。
まとめ
歯並びが悪いと滑舌や発音が悪いだけではなく、見た目を気にして人と会話するのが億劫になってしまったり、こもったような話し方になることがあります。
歯列矯正すると、歯並びが綺麗になって口元に変化が出るため、唇や舌の動きが良くなり滑舌や発音にもいい影響が出やすいです。声の出し方が変わるので、声質が変化したように感じられることもあります。
声がかなり高くなった、異様に低くなったというような大きな変化はありませんが、会話がスムーズになるため、歯列矯正は大きなメリットになるのではないでしょうか。
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関連コラム:歯列矯正は安くなる?矯正費用の負担を減らす方法5選!貯金無しでも始めたい人は必見!
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※千円以下の端数がある場合は、切り上げています。
※費用は治療当時の料金となります。
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主なリスクと補足事項:
・歯の動きやすさには個人差があります。
・正しい装着方法で決められた時間以上装着しない場合は治療期間が長くなる可能性があります。
・咬合、歯肉退縮、歯根吸収等が発生する可能性があります。
・矯正箇所が元に戻る(後戻り)場合がありますので、治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・装置装着後と通院における装置調整後は1~3日ほど痛みを伴うことがあります。
・歯の移動が大きい症例などには不向きです。
アットスマイル矯正を受けた人の声
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