歯列矯正

マウスピース矯正中の食べ歩きや飲み会、こんな時どうする?注意するべきポイントを総まとめしました。

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マウスピース矯正の場合、矯正器具を外すことができるので食事や歯のケアがいつも通り行えるのがメリットです。

ただし、マウスピースをつけたまま食事することは出来ないというデメリットもあります。

普段の食事や食べ歩き、飲み会の時にどのようにマウスピースを扱えばいいか困っている方も多いのではないでしょうか?

今回はマウスピース矯正時の飲食について、基本事項をしっかりとおさえました。さらに飲み会などのイベントの時の対応や、旅行先でのトラブル対応についても詳しくお話しいたします。ぜひご覧ください。

関連記事:マウスピース矯正21ブランド徹底比較

目次

食事中のマウスピースの取り扱い方法

①食事の時はマウスピースをはずす

食事や間食など、何かを口に入れる時には必ずマウスピースをはずしましょう。その理由は3つあります。

  1. マウスピースが変形・破損する恐れがあるから
  2. マウスピースや歯に着色するから
  3. 虫歯や歯周病のリスクが高くなるから

マウスピースは薄いプラスチックのような素材で出来ています。マウスピースを着けたたまま硬いものを噛んだり、熱いものを食べると変形したり壊れてしまう恐れがあります。

そうなってしまうと、新しいマウスピースが出来上がるまで治療がストップしてしまい、矯正完了が遅れてしまう事も…。

また、カレーやトマトソースなどの色の濃い食べ物は、マウスピースだけでなく歯が黄ばむ原因にもなります。マウスピースをしたまま食事をすると着色しやすい成分で歯をパックしているような状態になってしまいます。

せっかく歯並びを整えてお口をキレイにしようとしているのですから、歯もマウスピースも清潔にしておきたいもの。

そして最も心配なのが、虫歯や歯周病の原因となることです。マウスピースの中はただでさえ虫歯や歯周病の細菌たちが好む環境。唾液による、細菌を洗い流す作用も落ちています。

マウスピースをしたまま食事をとると、目には見えなくとも、細菌のエサとなる食べかすなどがマウスピースや歯茎のスキマに入り込み、虫歯や歯周病のリスクが一気に上がります。チョコレートやアイスなどの、お口の中で溶けるようなものもNGです!

②水以外の飲み物はマウスピースをはずして飲む

水以外の飲み物を飲むときはマウスピースをはずして飲みましょう。ジュースやお茶、熱い飲み物などをマウスピースをしたまま飲んでしまうと、着色や虫歯、熱による変形などのリスクがあります。

ストローを使ったとしても、完全にマウスピースの中に入り込むのを防ぐことはできません。マウスピースを装着したまま飲むのであれば無糖の水、40度以下の白湯にしましょう。

③再装着前には歯磨きを

食べたり飲んだりした後は、必ず歯とマウスピースをきれいに磨いてからマウスピースをはめましょう。間食の後も忘れずに。

通常であれば、唾液の力によってある程度食べかすが洗い流されます。ただしマウスピースを着けている状態では、唾液の効果は届きません。食べかすがついた状態でそのままマウスピースをはめてしまうと、虫歯や歯周病のリスクがぐっと上がります。

それだけでなく、歯についた食べかすや色素がそのままマウスピースの方にもついてしまって、着色や臭いの原因にもなります。

マウスピースを磨く際は、水と柔らかめの歯ブラシを使って磨きましょう。お湯や研磨剤入りの歯磨き粉を使うのはNGです。

矯正中は、常に歯磨きセットを持ち歩くようにしましょう!

詳しいお手入れの方法や、着色・臭いの対策については、こちらのコラムも参考になります。あわせてご覧ください。

関連コラム:矯正用マウスピースの正しいお手入れ方法!臭いや変色が出た時の対策もご紹介

食後の着け忘れに注意しましょう!

マウスピース矯正は、1日20~22時間以上の装着が必要です。装着時間が守れないと、マウスピースがきちんとはまらなくなったり、治療期間が延びてしまうことがあります。

食事前にはずしてそのまま着けるのを忘れてしまったり、ちょこちょこ間食をしてマウスピースをはずすことが多いと、装着時間が足りなくなる場合がありますので、気を付けましょう!

矯正中は、できる限り間食を控えることをおすすめいたします。

着け忘れの防止には、スマートフォンなどのリマインド機能を活用するのも◎

食事中のマウスピースの保管方法

食事の前にマウスピースをはずしたら、まずは流水ですすぎ洗いをします。そして、ティッシュやハンカチなどで水気をとり、必ず専用のケースに入れて保管しましょう。

もし可能であればティッシュやガーゼを敷き、ケースのフタをあけて乾かしておくと、より衛生的です。

外出先などで水洗いができない場合には応急処置としてウェットティッシュで汚れを拭き取ります。お口からはずしてそのままケースに入れると、雑菌が繁殖してしまい衛生的でないです。

よくあるトラブルが、ティッシュにくるんでカバンやポケットにしまっていたら、壊れてしまった・間違って捨ててしまった、といったことです。

壊れたりなくしたりすると作り直しが必要になってしまいますので、こうしたトラブルを防ぐためにも、マウスピースのケースは常に携帯しましょう。お家用と外出用の2つのケースを用意しておくと便利です◎

イベント時のマウスピースの取り扱い方法

新しいマウスピースは長時間つけられるように調整しましょう

まず、新しいマウスピースに交換直後の3日間は、装着時間が短くなりそうなイベント事は避けられると良いです。イベント前に前のマウスピースの装着期間を延ばすなど、担当医と相談した上で調整しましょう。

マウスピースの交換直後は、最も歯に力がかかります。この期間は痛みが出やすかったり、外している時間に後戻りが起こりやすい=マウスピースがはまらなくなってしまう可能性もあります。

新しいマウスピースの初めの3日間は、長時間連続して装着できるようにしましょう◎

また、マウスピースをはずしている時間は、必要な装着時間から逆算してもせいぜい1~2時間に留められると良いです。

もし装着時間を守れない日があった場合は、その分ほかの日に装着時間を増やしたり、新しいマウスピースに交換する日を延ばしたりして調整しましょう。

そして万が一、マウスピースがはまらなくなってしまった場合には、早急にかかりつけの医師に連絡してください。

食べ歩きの時に気を付けること

食べ歩きの際も、もちろんマウスピースははずして飲食をします。面倒だとマウスピースをはめたまま食べ歩きをすることはNGです。

はずしたマウスピースはそのままカバンやポケットに入れず、必ず専用のケースにしまってください。

注意しなければならないのが、装着時間が足りなくなってしまうことです。

なるべく時間をまとめて食べ歩きをして、終わったらすぐにマウスピースを装着するのを忘れずに!

また、装着前には歯とマウスピースをきちんと磨けるとよいのですが、外出先では必ずしもお手入れできる場所がすぐにみつかるとは限りません。

その場でお手入れができない場合には、マウスピースの装着を優先します。お口をゆすいだり、歯磨きシートで大まかな汚れをとるなどして、まずはマウスピースを装着しましょう。

そしてなるべく早くお手入れできる場所を見つけて、忘れずにブラッシングをしましょう!

※歯磨きせずにマウスピースをつけることは推奨しません。出来る限りマウスピース装着前に歯磨き出来るように行動してください。

食べ歩きの時の持ち物リスト

  • 歯磨きセット(歯ブラシ、糸ようじやフロス、歯間ブラシ、マウスピース洗浄用のブラシなど)
  • マウスピースの保管用ケース
  • ミネラルウォーター(マウスピースをしたまま飲めて、お口やマウスピースをゆすぐ際にも便利)
  • 清潔なティッシュやハンカチなど(マウスピースを洗った後に水気をとります)
  • ウェットティッシュ(水洗いできない時にマウスピースを拭いたり、ケースなどを置く際、清潔な置き場がないときに下に敷いたりできます)
  • 歯磨きシート(すぐに歯磨きできない時用に)

旅行の時に気を付けること

旅行の時も、食事に関しては食べ歩きの時の注意点と同様です。

飲食の際はマウスピースをはずし、ブラッシングと装着時間には十分に気を付けましょう。

旅行中特に心配なのが、マウスピースを紛失してしまったり、壊してしまうことです。

こうしたトラブルで1日でもマウスピースをはずしっぱなしにしてしまえば、歯は動いてしまいます。ですので、旅行には予備のマウスピースを持っていくようにしましょう。

予備のマウスピースとは、現在使用中のマウスピースの1つ前のマウスピースです。万が一なくしたりしてしまったら、予備のマウスピースをはめて対処しましょう。

※治療状況によっては前のマウスピースを使用してはいけない場合もあります。事前に担当医に相談の上、ご使用ください。

また、旅行期間とマウスピースの交換時期がかぶるスケジュールは避け、旅行から帰ってきてからにしましょう。もし旅行期間が長い場合には、担当医に相談して調整しましょう。

旅行の時の持ち物リスト

  • 食べ歩きの際の持ち物と同じセット
  • 予備のマウスピース(1つ前のマウスピース)
  • マウスピースの洗浄剤

飲み会の時に気を付けること

飲み会の時も、マウスピースの取り扱いは基本的な食事の時と同じです。歯磨きセットと保管用のケースは必ず持ち歩きましょう。

お酒を飲む際も、マウスピースははずします。なるべくだらだらと食べたり飲んだりせず、時間がきたらマウスピースを装着できると良いです。

心配なのが、お酒が入り盛り上がるとうっかりマウスピースを着け忘れてしまうこと。

前もってスマートフォンなどのリマインド機能をセットしておいたり、周囲の人に伝えておくのも着け忘れ防止方法の一つです。

また、実はお酒には糖分が多く含まれていたり、酸性の飲み物なので、お口の中は虫歯になりやすい状態になっています。そのまま酔っぱらって寝てしまったりすると、矯正中でなくとも虫歯の危険が高まります。

矯正治療中のお酒は、なるべく楽しむ程度にして、きちんとブラッシングしてから休みましょう。

矯正中でもディズニーに行きたい!楽しむための注意点

マウスピース矯正中にディズニーなどのテーマパークで遊ぶ機会がある方もいるのではないでしょうか。

もちろん、矯正中にディズニーに行っても問題ありません。思いっきり楽しむために、注意しておくポイントをお話します。

人前でマウスピースを外す必要がある

ディズニーと言えば食べ歩き!アトラクションを満喫しながら飲食ををする可能性はかなり高いでしょう。

マウスピース矯正中は装置をつけたまま水以外の飲食は厳禁。そのため、一緒に行くメンバーには飲み食いする前にマウスピースを取り外す必要があることを理解してもらいましょう。

メンバーに知られたくない、人前で外したくないなどの抵抗がある場合は、食べ歩きをしない、飲食店内でのみ食事をするといった対策を。

トイレの場所を頭にいれておく

食後にそのままマウスピースを装着するのはNG。虫歯や歯周病のリスクがさらに高まるからです。

きちんと歯磨きをして、マウスピースの内面も清掃してから装着するのが理想的。すぐに歯磨きできるように、トイレの場所をあらかじめ頭に入れておくとスピーディーにお口の中を綺麗にできます。

マウスピースを外してディズニーに行くのはOK?

「面倒だから、マウスピースしないでディズニー行こう!」というのは絶対にやめてください。

マウスピース矯正は、装着することで歯を動かしていく治療方法です。

1日の装着時間が20~22時間が推奨されていて、装着時間の長さは歯を動かすために非常に重要なポイントです。

一日中外すしてしまうと、以下のようなトラブルが起こる原因になってしまいます。

  • 後戻り
  • マウスピースがはまらなくなって歯が痛む
  • マウスピースの作り直し
  • 治療期間が伸びてしまう

マウスピース矯正中にディズニーに行く場合は、マウスピースを装着しながら楽しんでくださいね。

マウスピース矯正中に注意したい食べ物・飲み物

マウスピース矯正中の飲食は、水以外はマウスピースをはずして召し上がることが鉄則です。特に気を付けていただきたい食べ物・飲み物をご紹介します。

熱い食べ物・飲み物

マウスピースは薄い樹脂製の素材でできているため、60度以上の熱いもので変形する恐れがあります。白湯を飲む場合は、50~40度以下まで冷ましてから飲むようにしましょう。

色の濃い食べ物・飲み物

色の濃いものはマウスピースや歯の着色の原因となります。

代表的なものは、カレー・トマトソース・ミートソース・醤油・味噌・緑黄色野菜・コーヒー・赤ワイン・お茶類などが挙げられます。

また、色の濃いうがい薬や漢方薬も着色しやすいので、気になる場合はマウスピースをはずしてご使用・服薬されることをおすすめします。

虫歯の原因となる食べ物・飲み物

虫歯の原因になりやすいものといえば、チョコやジュースなどの甘いものが思いつきますよね。実はそれ以外にも、虫歯の原因となりうる注意したいものがあります。

炭酸水、スポーツドリンク、乳酸菌飲料

これらは実は糖分を多く含んでおり、虫歯になりやすいです。

また、無糖のものであっても、酸性が強いので、お口の中が虫歯になりやすい環境になってしまいます。マウスピース装着中に飲むことや、飲んだあとそのまま装着することは避けましょう。

果物、フルーツジュース、野菜ジュース、スムージー

これらはお砂糖は使われていなくても、果糖を含んでおり、酸性でもあるので、虫歯の原因になります。

牛乳、豆乳

これらは砂糖が入っていなくとも、乳糖などの糖分を含んでいますので、マウスピース装着中は避けましょう。

ノンシュガーの飴、ガム

ガムはマウスピースにくっつきますのでNGです。飴は溶けるから大丈夫と思われがちですが、糖分が虫歯の原因になります。

実はノンシュガーであっても、はちみつや果糖など、虫歯の原因となる成分を含んでいる場合もあるのでマウスピース装着中は避けましょう。

硬い食べ物

おせんべいやステーキなどの硬い食べ物は、マウスピース装着中はマウスピースが壊れてしまうのでもちろんNGです。

また、マウスピースをはずして召し上がる場合であっても、マウスピースを交換したばかりの時は、こうした硬いものを噛むと痛みが出る場合があります。

痛みがある時は、硬いものやたくさん噛む必要のあるものは避けたほうが良いです。

矯正中は歯の状態が不安定となりますので、葉物野菜など繊維質のものや、お餅やキャラメルのようにくっつきやすい食べ物が歯に挟まったりくっついたりした際に痛む場合もあります。その場合はすぐに歯ブラシや糸ようじで清掃しましょう。

マウスピース矯正中の痛みや対処法については、こちらのコラムでより詳しく解説しております。

関連コラム:マウスピース矯正って痛いの?痛みの原因や対処法、ワイヤー矯正との比較についてもご紹介

どうしてもお口がさみしい時は…

マウスピースははずせないけれど、どうしてもお口がさみしい時は、キシリトール100%のガムやタブレットが便利です。くれぐれも、砂糖や果糖、ブドウ糖、ショ糖などの虫歯の原因となる成分が入っていないかをチェックし、噛まずに召し上がってください

ただし、マウスピース装着中は唾液がまわらないので、お口の中に味が残って気持ち悪さがある場合もあります。

参考:う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法(外部サイト)

参考:https://www.yasufuku8020.com/invisalign/eat/

参考:https://www.matsu-shin.com/invisalign/life/

まとめ

マウスピース矯正中の食事ルールで、押さえておきたいポイントは2つ。

  1. マウスピースをはずす→食事→歯磨き・お手入れ→再装着 の流れ
  2. 装着時間を守る

歯磨きセットと保管用ケースは常に携帯しましょう!

これらを守ることは、矯正治療を快適に&スムーズに進めていくために必要不可欠です。

もちろん治療が終わるまでは守れることがベストですが、せっかくの飲み会や旅行などのイベントごとも楽しみたいですよね。

まずは装着時間に影響しそうなイベントごとの前には、担当医に相談しましょう。それぞれのケースや治療の進行状況によって、対応が異なるからです。

その上で時間のメリハリをつけ、食事を楽しみましょう◎

一見大変そうに思われた方もいるかもしれませんが、慣れれば生活の一部となってしまうので案外心配いりません。

また、余計な間食や砂糖入りの飲み物が減って、ダイエットに繋がったという声もきかれたりします。

せっかくマウスピース矯正を選んだのですから、メリットを最大限に生かし、快適な矯正生活にしましょう!


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